宮古から東京五輪
宮古島市出身の佐渡山彩奈と石垣航平が、2020年東京オリンピックへの出場を懸ける新しい年を迎えた。佐渡山は重量挙げ、石垣は7人制ラグビーで日本代表を目指す。4年に1度のオリンピックには誰もが憧れる。しかも東京開催だ。そんな大舞台が目の前にある。「譲れない」。多くの声援を背に五輪への道へ突き進む。
日本代表へ正念場
重量挙げ 佐渡山彩奈(25)
高校時代に始めた重量挙げで、東京五輪出場を見据える。当時はまさかここまで来られるとは思ってもいなかったが、今は違う。五輪出場が現実味を帯びる毎日に気が引き締まる。
階級は55㌔級。東京出場枠は「1」だ。名実ともに上を行く八木かなえがいる階級だが、2018年の福井国体で八木を破るなど背中はもう見えている。
昨年2月、タイで開催された国際大会では自己ベストのトータル186㌔をマークして2位。五輪への道筋がくっきり見えた。
だが、9月の世界選手権は不本意な結果に。自身万全を期して臨んだにもかかわらず、記録を伸ばせず順位も振るわなかった。
「期待に応えられなくて申し訳ない」。自分のふがいなさを攻め、悔しくて泣いた。だが、この時の悔しさはバネになる。五輪選手選考の参考大会となる2月の国際大会と4月のアジア選手権では「しっかりと結果を出す」と誓った。
課題は「体重(筋力)を増やすこと」と明確だ。これまでは52~53㌔で挑む大会がほとんどだった。当然パワー不足が生じる。
「しっかりと食べて筋肉に変え、効率的にパワーを生み出したい。ここにきて体重が乗ってきた」と成果を感じているという。
佐渡山は試合の時、地元のことを思い出して力に変える。「私は地域に支えられた。だからこそ期待に応えたい。地元の声援を力に変えて頑張りたい」と熱を込めた。
代表入りで恩返し
7人制ラグビー 石垣航平(26)
宮古島市出身の石垣航平(26)=宮高、帝京大卒=は、男子7人制ラグビーで東京五輪出場を目指す。
初めて代表に呼ばれた2019年を「けがもあったが充実した1年となった」と振り返った。7人制のプレースタイルに戸惑いもあったが「運動量も増えるので大変だった。少しずつ理解でき、身体もついていけるようになっている」と成長を感じている。
昨年9月には「アジアセブンスシリーズ中国大会」に出場し、チャイニーズタイペイ戦で3トライを挙げ、勝利に貢献。10月からは海外で合宿や遠征に明け暮れた。
石垣は宮高でラグビーを始め、2年連続でチームを県大会準優勝に導いた。進学した帝京大学では、大学選手権の7連覇に貢献。現在は社会人の「コカ・コーラレッドスパークス」に所属している。身長は183㌢、体重98㌔。
オリンピックのラグビー競技は7人制が正式競技。東京五輪には12カ国が出場し、日本は開催国枠での出場が決まっている。
代表チームの選手は12人と狭き門。石垣は「五輪でプレーできるように努力したい。家族やラグビーファミリーの応援が励みになっている。みんなに恩返しができるように残された期間でチャレンジしていきたい」と意気込みを語った。