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【特集】新年号
2020年1月1日(水)8:52

自然を愛でる/下地

斎藤さん、教室開所15年/一葉式いけ花


教室に通う生徒らと斉藤さん(中央)

教室に通う生徒らと斉藤さん(中央)

 「自然を愛(め)でる、自然を生活の中に生かす日本人独特の文化」と生け花を語る一葉式いけ花教室宮古島支部を主宰する斉藤葉彩さん。

 斉藤さんが宮古島支部を高千穂に開所したのは2004年。15年が経過した。石垣島生まれ、沖縄本島に住んでいたころに一葉式いけ花那覇教室で初めて生け花に触れた。大学進学で上京すると3代目家元のアシスタントとして生け花に没頭した。

 1937年創立の一葉式いけ花。流派ではなく、「式」としているのは、学ぶ中でそれぞれの個性と感性を生かし、いつか自分「式」に生けられるようにとの考えからきている。生活空間に調和する花を追求し、和室にふさわしい花、現代の生活様式を楽しむ花、スケールの大きい舞台装花に至るまで、暮らしを取り巻くすべての生活空間を花の場と捉え、その土地、季節の花材にこだわる独創的な華道だという。

 宮古島で教室を開いたのは「ゆったりとした庭があり、魅力的な材料がある。都会では高価な材料になるが、宮古島ではどこにでもある。生活の中で楽しむゆとりができ、日ごろから潤いを感じられるところ」との思いからだった。

 週3回開く教室には25人ほどが通い、斉藤さんの手ほどきを受けながら生け花を極めようと熱心に学んでいる。教室ばかりでなくホールやホテルを飾る生け花にも忙しい。昨年開館した市未来創造センターのオープニングセレモニーでも作品が飾られた。

 若い世代への普及にも熱心だ。文化庁の事業を活用し、子供たち対象の教室を開いてきた。多良間島でも開いたことがある。今年も文化庁事業に応募することにしている。

 宮古島で教室を開いてから慌ただしく時間が過ぎた。「これからは子供たちとゆっくりと向き合い、日本人独特の生け花の文化を伝えていきたい」と考えている。

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