新年を迎えて
2020(令和2)年を迎え謹んでご挨拶を申し上げます。今年は東京オリンピック・パラリンピックの開催年であります。1964年以来、56年ぶりの東京五輪に、日本中が熱い視線を送っています。宮古島市でも初めて、5月3日に聖火リレーが行われます。近づいて来る東京五輪にわくわくします。宮古-東京間が直行便で2時間30分圏内となり、宮古からの五輪観戦者も増えそうです。
昨年は、5月1日に皇太子殿下が新天皇に即位され、令和元年がスタートしました。10月1日に消費税が8%から10%に引き上げられ、私たちの生活に大きな影響を与える年となりました。宮古圏域では、下地島空港が本格稼働。三菱地所が「みやこ下地島空港ターミナル」を3月30日に供用開始、格安航空会社(LCC)の就航で関東や関西、香港などから観光客が来島、島にもう一つの玄関口ができ観光産業が伸びる要因になっています。
平良港漲水地区北防波堤で進められているクルーズ船専用岸壁(バース)は今春完成予定で、14万㌧級の大型クルーズ船が接岸できるようになります。これで大型船の沖止めが解消され、乗客の上陸がスムーズになります。今年も300回超の寄港が計画されています。
島の産業のもう一つの柱は農業です。昨年の実績はサトウキビ生産量が29万㌧で7期ぶりに30万㌧を割り、販売額は64億円。前期比で6億5000万円の減となりました。葉タバコ販売額は21億4900万円で前年比2億8400万円の減収。肉用牛販売額は43億円で前年比2億8000万円増加しました。牛は高値傾向が続いており農家の飼育意欲を高めています。野菜・果樹の販売額は8億8000万円で前年比で増加、栽培の力となっている地下ダムの水は伊良部島にも送水され、生産量の拡大が期待されます。
今年の7月には県議選、来年1月には宮古島市長選が予定されています。前回の県議選では3人が立候補し保守分裂選挙となりました。市長選も保革分裂の形で4人が立候補、現職の下地敏彦市長が再選を果たしました。現職か新人か候補者の動きがこれから活発化しそうです
宮古島市が2005年10月に合併誕生して今年で15年になります。その集大成として現在建設中の新庁舎は来年1月に完成予定です。これで分庁舎方式が解消され行政業務は新庁舎に集約され業務の効率化が図られます。ただ合併後、市街地への一極集中が進み、行政の核(役場)が無くなった地方は衰退傾向にあるといわれており、合併後の島の変貌を検証し、地方活性化の対策が求められています。
子年は繁栄の年といわれています。宮古の未来を託す子どもたちが笑顔で明るく暮らせる活気あふれる宮古島となるよう祈念致します。
宮古毎日新聞は今年創刊65周年となります。郷土紙としての役目を果たすべく住民の生活に密着した情報を届けたいと思います。今年も宮古毎日新聞のご愛読をよろしくお願い致します。
2020年 元旦
宮古毎日新聞社
代表取締役社長 伊志嶺 幹夫