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行雲流水
2011年5月16日(月)22:14

歴史(行雲流水)

 『私たちはどこから来たのか、私たちは何者か、私たちはどこへ行くのか』。ゴーギャンの謎めいた絵のタイトルである。人の一生を暗示しているようであるが、38億年の「生命誌」の世界の問いとも重なる


▼もっと身近に、私たち人間の歴史は「どこからきて、どこへ行くのか」と問うことでもある。その上で、人間社会の進歩に逆行する沖縄に対する日米政府の不条理な仕打ちを俎上に載せたい

▼日本国憲法の前文は次のように謳う。「われらは、いずれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従うことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立とうとする各国の責務であると信ずる」

▼米国の国防費は全世界の軍事費の42%で、抜きん出て大きい。他国から侵略されるはずがない。したがって、沖縄にある米軍基地は米国の世界戦略のためのものである。ベトナム戦争やイラク戦争に対する批判は米国内でも小さくない。ナパーム弾や劣化ウラン弾の使用で多くの市民が死傷し、まき散らされた放射能でがんや白血病の子どもたちが苦しんでいる。明らかに「国益」のために他国が無視されている

▼この米国の戦略に追従し、沖縄に犠牲を強いることは、主権を維持し、他国と対等な関係に立つ責務を放棄している。「国政は国民の厳粛な信託による」という、沖縄県民は国民ではないのか

▼「沖縄」の主張は正当であり、正義である。

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