行雲流水
2011年6月10日(金)23:00
スツウプナカ(行雲流水)
多良間では粟などの作物は作るが、神に感謝し初物を供えることがなかった。神の怒りにあい「スツウプナカ」は始まったという。旧暦4、5月の壬辰、癸巳、甲午の3日間行われる島あげての祭りだ
▼豊年の感謝と祈願を主にしたこの祭りは、仲筋字のナガシガー、フダヤー、塩川字のパイズゥニ、アレーキの4祭場で行う。祭りでは役割分担が守られる。祭りの中心者で祈願を行い、ニーリを歌う中老座、祭り運営の総責任の幹人座、祭りに供える魚を捕る海座、料理を作るクバン座、神酒を作り客をもてなすブシャ座
▼祭り2日目も祈願に始まり「カデカリヌニーリ」(112番)を1時間かけて歌う。午後、司(神女)6人、伴司1人、二才頭5人、村長および職場の代表者らがナガシガーに招待された。招待客全員に神酒(角皿=芋、世直皿=米)が献杯される。ブシャ2人が「ウヤキ角皿よ、ピャーシバード、世や直りと歌い始め、全員立ち上がり「ユノオーレガ、ヨイトーレガ、ヒヤ、ヤッカヤッカ」と歌い、繰り返す
▼その後、フダヤー、パイズゥニ、アレーキの順に司を先頭に招待客は送られる。道中、「タラマ道中」を歌う。「タラマ世」を歌い迎える祭場もある。招待客は9時頃解放された
▼各祭場では一般客に続いて海座の人々を招待して宴は盛り上がる。ナガシガーでは24時、ユナカのニーリと称して「ウイグスクカニドウガニーリ」(41番)を20分かけて歌う
▼深夜の多良間島に響きわたる「ヤッカヤッカ」は明日の豊年につながる。