行雲流水
2011年7月27日(水)22:50
料金と利用率(行雲流水)
スカイマーク社が宮古-那覇路線に参入する。1日5往復、普通運賃片道7800~7500円、最安値運賃は片道2800円。まさに待望の〝足〟だ
▼JTAは対抗策として「スーパー先得」を片道3800円にしたほか、各種割引運賃を次々と値下げ。期間限定、座席数限定とはいえ、〝スカイマーク効果〟は絶大だ。宮古島市民・出身者、観光客にとっては朗報だし、人の往来が活発になれば宮古島の活性化につながる
▼スカイマーク社は1996年、航空業界の規制緩和に伴い発足した会社だ。「搭乗率80%を維持できれば従前の運賃の半額でも経営できる」として、福岡-羽田路線に参入。格安運賃で人気を博し、平均搭乗率80%以上を実現した
▼しかし、同業他社の運賃引き下げで搭乗率は60%に下がり、赤字経営に。その後、機材調達や顧客サービスを見直して2008年から黒字になり、路線拡大戦略へ転換。国際線参入をも視野に、昨年12月には400名のJAL職員を受け入れた
▼宮古-那覇路線への参入は、路線拡大戦略の「モデル事業」の一つかもしれない。社内努力の成功をふまえた上で、再び「格安運賃設定による搭乗率80%確保」へ挑戦する考えかも。宮古のポテンシャル(発展潜在力)を見越した決断である、と思いたい
▼運賃が安ければ、利用者は増える。タクシーに乗る感覚で那覇と行き来できれば、搭乗率80%以上の維持は不可能ではない。一過性の御祝儀相場で終わることなく、恒常的な格安運賃設定への契機となることを期待したい。