11/28
2024
Thu
旧暦:10月27日 赤口 乙 
企画・連載行雲流水
2011年8月25日(木)9:00

宮古島市に国から入る普通交付税(行雲流水)



 宮古島市に国から入る普通交付税127億円が決定した。県内市町村の中では最高額だ。合併特例が加算された結果だという。素直に、合併してよかったと思いたい


▼しかし、喜んでばかりはいられない。普通交付税額が多いことは、貧乏な自治体であることを意味するからだ。地方交付税制度は、財政力の地域間格差を均(なら)そうとするもの。いわゆるナショナルミニマム(国民が等しく享受すべき最低限のサービス)を担保する制度だ


▼その基礎となる基準財政需要額は、人口や児童生徒数など多くの指標を加味して積算された数値だ。今年度の宮古島市の基準財政需要額は、171億円と算定された。これをまかなう自主財源は43億円余。その差額127億円が国から交付されることになった


▼実際の宮古島市予算総額は326億円。基準財政需要額との差額は国・県からのいわゆるひも付き補助金や市債などだ。ところが、今年度の市債発行限度額は前年度比24%減に抑えられた。財政力の弱い自治体が返済に窮して、将来赤字団体に陥ることを予防するためだ


▼自主財源比率(25%)の向上なくして補助事業(裏負担が必要)や単独事業の拡充は困難だ。人口規模の類似する糸満、豊見城、石垣並みの40%前後にはしたいものだ


▼自主財源の主要なものは市民税と固定資産税。これらは個人や企業の所得、固定資産形成に比例する。就業機会を増やし、投資意欲を醸成していくことが肝要だ。地産地消、新商品開発、観光・イベント誘致など産業振興への取り組みを急がねば。

カテゴリー一覧

ID登録でパソコン、タブレット、スマートフォンでお手軽に!