野田政権早くも経済産業大臣が辞任。就任わずか９日目の辞任は戦後４番目の短期大臣だと言う。菅政権下で辞任に追いこまれた法務大臣や防災担当大臣と同じ不穏当発言すなわち〝舌禍〟による辞任である

▼舌禍辞任といえば自分の政権運営を「仮免許」と称したり唐突に「消費税10％値上げ」をぶちあげた菅前首相も望まなかった早期辞任に至った。つまりは自らが招いた舌禍辞任である

▼朝日新聞調査によると前首相の数々の不用意発言は内閣支持率を59％から50％に低下させている。わずか１週間で10％近くも下落することはきわめて異例で後の参議院選における民主党惨敗の主因になったと言われた

▼その結果参議院の主導権は野党に握られ国会は衆参相反するいわゆる「ねじれ国会」となって菅政権の政策執行は容易でなくなった。中でも東日本大震災に対する財政的救援策は遅々として進まなかった

▼かくて野党はもとより被災地の住民や任命した大臣さらには身内の幹事長までがこぞって早期退陣を迫った。粘りに粘った菅前首相が在任期間４５２日は達成したものの志半ばで辞任の憂き目にあった要因はたどっていけばやはり〝舌禍〟である

▼民主党政権だけでも７人もの大臣が辞めている。国会議員資質の是非・国民傍観者の利己主義・メディアの執拗なあら探し…政界は今日もうっとうしい曇りまたは雨となるか。