先日のテレビで、ユニークな商法で繁盛している中小企業を紹介していた。島根県益田市（人口約５万人）の郊外で自動車運転免許教習所を営む「Ｍランド」社だ。東京から免許取得に来る若者が絶えず、年間６０００人の卒業生を送り出しているという。費用は１人25万円で、16日間の全寮制合宿方式

▼入所要件として「あいさつと感謝の励行」を取り入れている点がユニークだ。その結果、生活態度が一変するので、口コミで入所希望者が増えていくとのこと

▼また、施設内だけで通用する通貨を発行し、施設内で完結する体験学習をさせている点もユニークだ。日用雑貨の価格やレク費用も、施設の維持管理作業に従事した場合の対価も域内通貨で支払われる。例えばレストランで販売している菓子パンは１個１ドル20セント。実入りが最も多く、希望者が殺到するという早朝のトイレ掃除は、第１回目は12ドル、２回目以降は７ドル

▼わずか16日間の合宿生活が人生観を変えるので、家族や隣近所の話題になり、教習所の名前が宣伝されていくという仕組みのようだ

▼この商法を編み出した先代社長は「ヒントは、東京のホテルで見た外国人旅行客にあった」と話す。出会う人には誰にでもあいさつし、ちょっとした気遣いにも必ずお礼の言葉を口にする外国人に感動したとのこと

▼テレビをみながら考えさせられた。「Ｍランド」社の宮古島分校設立を働きかけられないものか、と。結果的に、観光誘客の一翼を担ってもらうことにつながる。観光関連産業の裾野は広い。