行雲流水
2011年11月11日(金)22:49
クイチャーフェスティバル(行雲流水)
「アンチューキャーヌ、ミャーク、ニヌヨイサッサイ」の掛け声が、今年も宮古に響きわたった。「文化事業の一環として観光誘致をはじめ、宮古圏域文化の掘り起こし、継承発展を目的」に始められたクイチャーフェスティバルは10回の節目を迎えた
▼同フェスティバルは「人頭税廃止百年記念」をキャッチフレーズに21世紀の幕開けとなった。20団体1000人余が、市総合体育館で演舞した。伝統のクイチャーにとどまらず、創作のクイチャーを取り入れたことに、将来への意気込みがくみ取れる
▼創作クイチャーは①手拍子、②跳ね上がる振り、③円陣を組む、の3要素を演舞に取り入れること。この趣旨は年々浸透し、10年の歳月で確実に進化している。創作の部には「プカラス賞」「パニパニ賞」「アパラギ賞」を設け、出演団体の励みとする
▼伝統の部には子どもも参加させる傾向にある。とりわけ砂川地域は顕著だ。クイチャーにかける地域の思いが伝わる。保良・新里のように新たにクイチャーを掘り起こした地域もある。獅子舞や棒踊りも演じられ、宮古の芸能を堪能できる
▼同フェスティバルは衆目の見る所となる。2006年「島おこし奨励賞」、07年「第11回ふるさとイベント大賞奨励賞」を受賞
▼40団体1700人余が参加し、クイチャーの魅力を余すところなく伝えた。特にフィナーレのクイチャー大共演は、3、4重の輪となり圧巻だ。「んなまからど宮古(みゃーく)の世(ゆ)」を祈りつつ、同フェスティバルのさらなる拡大に期待したい。