行雲流水
2011年12月12日(月)22:15
「光るもの」(行雲流水)
一日、幾つかの印象に残る話を見聞きした
▼市場通りの西里郵便局の向かいに「『えんどうの花』作詞家・金城栄治生家跡」の標識がある。以前、そのあたりで「えんどうの花」の曲が流れているのを聞いて郷愁を覚えたことがある。実は、そのメロディーは1日4回隣向かいの薬屋さんが流しているとのことである。美しい曲と人の心が共鳴して、良きことが街に広がっていく
▼来間島に歳を超えた人のよい老人が住んでいる。畑仕事をしていると、若い観光客がレンタカーを止めて、長間ビーチ等の所在地を尋ねる。老人は丁寧に教えるだけでなく、いろいろと話しかけ、自宅に招待して泡盛を振る舞い、歓談する。後日、若者たちからの便りは絶えないという。人と自然が相まって旅は印象深いものになるに違いない
▼一人の若者が結婚、友人や同好の仲間たちが祝宴を開いて新郎新婦の門出を祝福し激励した。花嫁になったのはベトナムのかわいらしい女性である。遠いベトナムと宮古島で生まれ育った2人が結びつく、人の縁は不思議なもので、美しく尊い。遠くから来た花嫁さんが、ここで安心して幸せに暮らせること、それこそが地域のもつ文化の豊かさである
▼ある本の中のひとつのフレーズ、「自分の心の中に失いたくない言葉の蓄え場所をつくり出すのが、読書である」。情報の氾濫する時代、単なる情報(知識)を超えた読書の意味を考えさせる
▼キラリと光るのはダイヤだけではない。その無数の原石があちこちに秘められている。