書で磨こう心の時代/麗泉サークル(ゆいみなぁ)
書を通し親子の会話はずむ
世はまさに活字社会。ほとんどの人が普段、書く作業はすべて機械の力を借りて行っている。それでも日本の伝統文化である書道の人気は、たしなみとして衰えを知らない。宮古でもさまざまな流派の書道教室があり、幼児から大人までそれぞれのテーマに沿って書に励んでいる。姿勢を正し、真っ白な和紙に筆をおろしていくその姿は、伝統文化の神々しささえ醸す。
書家・茅原南龍さんの「茅原流」を組む麗泉サークルは、市働く女性の家(ゆいみなぁ)で毎週水曜日午後5時から書道教室が開かれている。会員は3歳から70歳まで幅広い。中でも特徴は親子や兄弟で入会する会員が多く、家族ぐるみのお付き合いも生まれている。世話役で、指導者下地麗泉さんの母親でもある下地栄子さんは「親子のコミュニケーションの場として、また情操教育、生涯学習の一助になれば幸い」と話す。
娘5人と一緒に参加する伊佐ななこさん(42)は、夫の転勤で宮古に住むようになり、好きだった書道教室を探すうち、この教室にたどり着いたという。娘は穂乃香さん(東小6年生)を筆頭に3年生の綾菜さん、1年生の柚音さん、4歳の美優ちゃん、2歳の李梨花ちゃん。4歳の美優ちゃんもすでに筆を握っている。伊佐さんは読売書法展で入選する力をもっており、子どもたちの教育にも熱心。「小さいうちはカタカナから書かせました」と、楽しみながら書に関心を持たせる工夫を明かす。
鈴木吏子さん(33)は、娘のれみちゃん(平一小1年)と一緒に参加、親子で話し合いながら筆を進めていた。いつもは息子の把夢くんも一緒だという。鈴木さんの友人上間理津子さん(37)も、かなさん(平一小1年)と悠生さん(3年)と3人で通う。父親が送迎するという上野小の川田琉晴くん(5年)は一人でもくもくと書に向かっていた。下地から通う仲間杏寿さん(3年)ともねさん(1年)は祖母の涼子さんと一緒に通う。
この日のお手本は1年生が「正月」、2年生が「元日」、3年生が「千代」、5年生が「若水」、6年生が「長薬」。それぞれの手本に沿って何枚も何枚も書いていた。指導に当たるのは立津アイ子さんと本村幸雄さん。書に向かう姿勢から、筆運びなど、懇切丁寧に指導していた。