行雲流水
2012年2月20日(月)23:18
「龍」(行雲流水)
今年は辰年。辰は龍。龍は想像上の動物で、羽はないが空を飛べる高貴な動物。中国では皇帝の象徴として用いられた
▼ところで、龍の爪の数は龍の位を表し、5爪の龍は皇帝しか使うことができず、日本では3本、琉球王国では4本まで認められた
▼琉球王国が栄えていた時代、中国からそれだけ高く存在価値を認められていた。そのころ、首里城正殿にかけられていた「万国津梁の鐘」には次のような意味の銘文が刻まれている。「琉球王国は、近隣諸国との友好関係を築き、海外貿易によって繁栄し、万国を結ぶ懸け橋になっている」
▼この琉球王国の約450年間、民衆の方は一貫して生活苦にあえいでいた。特に1609(慶長14)年から薩摩藩の支配下に入ると、薩摩藩への貢租の納付と王国の財政維持のため貢租の負担は重くされる。特に、宮古・八重山には過酷な人頭税が課されるようになる
▼廃藩置県後も事態は改善されず「旧慣温存」が続く。当然各地で抗議行動が起こり、宮古島の人頭税廃止運動でそのピークに達した。宮古農民の努力が実を結び、1903(明治36)年、沖縄県で他府県同様の地租条例が適用され、260余年続いた人頭税も廃止された。宮古農民の運動が沖縄の近代化に大きく貢献したことになる
▼ところで、消費税は消費額に比例して課税され、人頭税は1人当たり一定額を課税するという違いはあるが、低所得層に負担が重くのしかかることでは共通している。それ故、消費税は現代の人頭税だという見方もある。