行雲流水
2012年5月25日(金)23:09
「海洋観測予報管理条例」(行雲流水)
2012年5月21日(月)午後8時8分朝日新聞DIGITALニュース「尖閣対象の海洋観測条例、中国施行へ 主権主張の狙いか」の記事を知ったのは22日の朝であった。中国が6月1日に施行を予定する「海洋観測予報管理条例」は、尖閣諸島の周辺も対象になるとし、外国が観測活動をする際は中国の法律に従うことを求めていると伝えている
▼北海道の羊蹄山の麓に風光明媚なニセコ町がある。その隣の倶知安(くっちゃん)町もふくめて中国系法人が中国人相手に土地転がしをして大もうけをしていることはあまり知られていないのではないか
▼メコン川は国際河川として流域国が共同管理するための「メコン川委員会」を設立したものの中国がメコン川上流の雲南省でいくつも水力発電用のダムを建設したため、下流域の水量が極端に少なくなっている。メコン川委員会は中国に無視された
▼アフリカは悲惨だ。欧州の植民地として長い間搾取・収奪され、独立した今でも貧困、飢餓、内戦、殺りくが止むことがない。ところが、中国にとってアフリカは、安価なものを売りつける金もうけの相手であり利権あさりの大陸なのである
▼「海洋観測予報管理条例」は何を意味するのか。国は「領土問題はない」などと言っている時間はない。宮古、八重山の零細漁業者は目の前の尖閣近海で漁ができなくなる
▼そう危惧するのは漁業を営む者だけではあるまい。国は早急に中国の施行する条例なるものがどのようなものであり、政府としてどう対応するのか国民に明らかにすべきである。