人(ひと)
2012年8月14日(火)22:35
宮古高校野球部監督/藤井 智さん(36歳)
「三位一体」前面に県制覇
第39回県高校野球新人中央大会準決勝終了後のミーティング。選手たちに「勝ってかぶとの緒締めよ」という言葉を贈った。自身の座右の銘でもある。決勝の相手は強豪沖尚。「油断せず気を引き締めて戦おう」。選手たちは見事に応え、初優勝をつかんだ。「今までは追いかけるチームだったが、これからは追いかけられる。今こそかぶとを緒を締めなければいけない」
今年7月に監督に就任。わずか1カ月で県大会制覇という結果を出した。
「前監督から引き継いだがもともと力があるチーム。周囲の期待に応えたいと思っていた」
練習では技術面よりメンタル面を重視。特に強調するのは感謝の心だ。「野球をやらせてもらっているという謙虚な気持ちを持つことが大事」という。
さらには、正しい言葉遣いやあいさつの徹底、清掃活動を通して「地域」「学校」「チーム」という「三位一体」の意識を植え付けた。
「三位一体ヨッシャー」。ピンチやチャンスの時、こぶしで胸を叩き、天に向かって三本指を突き上げる。今やチームの合言葉となった。
自身、江の川高校(島根県)の外野手として春、夏2度の甲子園出場経験を持つ。
当時の事は多くは語らないが、何物にも代え難い経験を選手たちにも味あわせたいという思いは強い。
周囲からは早くも「甲子園」の声が上がっているが「まだ新人大会。9月に行われる秋季大会が勝負となる」。虎視眈々と甲子園の夢舞台を狙っている。