大津市の中学３年生が自殺した問題で、市の教育長が大学生に襲われた事件に絡み、教育委員会に対する抗議や大学生の行為を是とする電話やメールが急激に増えたという

▼なぜそういうことになってしまったのだろうか。生徒の自殺事件についての関係者のこれまでの話は、生徒たちと教育関係者の間に深い溝があるような気がする

▼はるか昔のことになってしまったが「高校に合格した人より合格しなかった人と一緒にいたい」そう言った先生がいる（今もお元気です）。勝ち組ではなく負けた生徒を思いやる気持ちに勇気づけられた。いま、いじめを受けている子供に寄り添う先生はいないのだろうか

▼学校が荒れているという話はほとんど聞こえなくなった半面いじめの話は頻繁に出てくるようになった。なぜなのだろう

▼学校は平穏になったが生徒たちは教師の目の届かないところで一人の生徒を追い詰めるゲームをするようになってしまったのだろうか。そのようなゲームがあっても学校は生徒間の問題には立ち入らないのがあたりまえになっているのだろうか。先生は生徒にとって親と同じくらいに信頼される存在であるはずだが、それが無くなっているのか

▼いじめ問題が起こるたびに学校や教育関係者の責任逃れともとれる発言が、教育長襲撃事件の背景にあることはメディアが伝えているとおりだろう。臭い物にふたをして、何事も起こっていない。それが学校現場の常態になっていないか。教師が生徒との信頼関係を損なう言動をとれば、その子は行き場を無くしてしまう。