宮古初-打楽器アンサンブルとコーラスの共演/打楽器と合唱の祭典
地元4人の奏者が活躍
繊細、かつ大胆な音色で会場を魅了した打楽器奏者ら。先日、マティダ市民劇場で「打楽器と合唱の祭典」が行われ、国際的作曲家吉岡孝悦さんを中心に宮古の打楽器奏者4人、合唱グループなど質の高い音楽の世界を披露した。コーラスの指揮をとり実行委員長も務めた長濱隆さんは、地元出身あるいは在住の音楽界の活躍を絶賛する。「今年は、例年になく音楽環境に恵まれている。国内外で活躍する出身者のリサイタルなどが続き音楽関係者にとってまたとない機会を得た」と話し、何より今回、打楽器奏者若者たち4人の成長ぶりに大きな期待を寄せた。
今回の祭典は、吉岡さんの作曲や組曲で構成され、演奏とコーラスの見事なハーモニーを作り上げた。宮古出身者の普天間健さん(韓国在住)、在住者の下里博枝さん、高江洲由樹子さん、内間恵美さん(宮古嫁)らが、マリンバとパーカッションを駆使してさまざまな楽曲に挑んだ。コーラスは、みやこ少年少女合唱団(宮国貴子団長)と宮古フロイデ合唱団(高田憲団長、指揮・長浜隆)。
3台のマリンバのための組曲では、独立した3作品「マーチ」「ワルツ」「サンバ」を演奏した。下里博枝と普天間健、世界で活躍する塩浜玲子(沖縄県出身)の3人が打ち下ろすマレット(ばち)はやさしく、時に激しい音色を奏でた。4台のマリンバのための「スクエア・ダンス」では、4人の奏者がスクエア(四角)な状態に楽器を配置し、奏者同士が互いに演奏場所を入れ替わり、楽器の周りをぐるぐる移動して音を奏でた。一糸乱
れぬ動きの中で編み出される音は、ダンスと言うにふさわしくスリリングな感動を与えた。
童声合唱と4人の打楽器奏者のための「5つの歌」は、みやこ少年少女合唱団によって「きのこの子」「空は迷路」「おたまじゃくし」「ありさんのメール」「あきあかね」(詩:坂本繭子)など、性格の異なる5つの作品を組曲としてまとめ、言葉にもメリハリのあるコーラスが会場を優しく包んだ。
マリンバと4人の打楽器演奏者のための「3つの舞曲」は、モダンダンスが振り付けられることを想定した舞踊のための音楽で、マリンバと打楽器アンサンブルの協奏曲。第一舞曲で水のように流れるマリンバの上にアフリカンリズムが重なっていく。音程の異なるブレーキドラムを金槌で叩く響きが「強迫観念」を表現、第二舞曲で、愛の讃歌、第三舞曲で希望や期待へと流れる中でティンパニやタムタムの激しい炸裂音も入り、エンディングでは、チャイムによる教会の鐘が高らかに響き渡る。
混声合唱と4人の打楽器奏者による「コスモフラワー」では、宇宙は花であり、花は宇宙であるというイメージで構成され、ファンタジーな叙事詩をフロイデ合唱団が第一部「香」第二部「旅」第三部「乱」第四部「涙」第五部「華」のテーマの中で歌い上げた。