「ウイビャー　ウツンカイドゥ　ブリス」（指は内側に折れる）。人は事に当たって、身内や所属する集団を大切にする、ことの例えである。砂川学区友利地区の集落センターには、人々の暮らしや文化に根ざして生まれ、長く伝承されてきた、教訓や生活の知恵を短い言葉で表した「宮古のことわざ」の幾つかが共同体の絆を誇るかのように掲げられている

▼先日、このセンターで「なりやまあやぐまつり」記念ゴルフ・コンペの表彰式と、まつり会場周辺の清掃・作業をした人たちの慰労を兼ねたパーティーが開かれ、盛会を極めた

▼地域が一丸となって準備してきた第７回「なりやまあやぐまつり」（～踊り響（ぶどぅりとぅゆ）まし肝心（きすむぐくる）がいよいよ来る９月３０日（日）に開催される。会場は景勝の地・インギャー海浜の海上特設ステージで行われる。背後の小高い丘には幾筋もの灯籠の灯がまたたき、ステージ周辺の海面でゆれる光と相まって幻想的な雰囲気をかもしだす

▼歌い手は、地元はもとより県内外から参加、遠くはアフリカ生まれのチュニジア大使館員も歌う。歌合戦もたけなわ、なりやまあやぐの美しい調べが朗々と響き渡る頃、東の海から中秋の名月が静かに昇ってくることになる

▼なお、前日２９日（土）は前夜祭で、エコハウスで歌や舞が演じられ、昔なつかし、楽しい「サムイ」遊びが競われて、笑いが広がる

▼「ウマリヤーピトスマ　ソダツアー　ムムスマ」（生まれは一島、育つのは百島）。人も、歌も、地域づくりも、開かれた世界へと飛躍していく。