行雲流水
2012年10月31日(水)22:40
「事業執行能力」(行雲流水)
きょうから11月。例年と違って、各市町村では一括交付金事業の執行で〝てんてこ舞い〟のようだ
▼宮古島市の一括交付金事業は61事業10億円余。うち約7億円は、10月4日の定例市議会で決まった。事業執行期間は6カ月足らずだ。役所は発注業務を急がねばならず、受注側も納期に神経を使うことに
▼一括交付金事業のスタートが遅れたのは、事業内容と補助金交付目的(沖縄の特殊事情の克服)との整合性をめぐって、調整が難航したためだ。当初は「しばりのない補助金」との期待があった。だが、交付要綱には種々のしばりがあり、期待と現実とのギャップが生じた。一括交付金といえども「補助金等の予算の執行の適正化に関する法律」が適用され、市町村の予算執行能力が問われている
▼国・県・市町村の見解が不統一のままでは、事後の会計検査で苦戦する。目的外使用を指摘されて、補助金返還命令を受けないとも限らない。会計検査院に対する説明を念頭に、手続上も実行上も手抜かりがないように万全の体制で臨む必要がある
▼曖昧さを残さず、ひとりよがりの解釈をさけ、早めに要綱の趣旨に精通して遺漏のないようにしたいものだ。会計検査で不当事項が指摘されると、今後の予算折衝が難しくなる。逆に、執行能力があると認められたら、予算獲得は容易になる
▼今こそ、宮古島市職員や現場責任者の予算執行能力を内外にアピールする好機だ。今年度の一括交付金事業を完璧に仕上げ、今後の予算獲得にも弾みがつくことを期待したい。