行雲流水
2012年11月20日(火)23:15
「絵本」(行雲流水)
那覇行きの飛行機で、退屈しのぎに備えつけの絵本『てぶくろ』を手に取ってみた。ところが、これがなかなかおもしろい
▼おじさんが子犬をつれて森を歩いているうちに手袋の片方を落としてしまう。するとねずみがかけてきて、手袋に入り込んで暮らすことになる。そこに蛙がぴょんぴょん跳ねてきて、一緒に入れてもらう。続いて速足兎とおしゃれ狐、灰色狼も入る。ところが、おじさんは手袋を落としたことに気づき探しに行く。子犬が先に駆けていって「わんわん」とほえると手袋の中のみんなは逃げていってしまう。後からきたおじさんはその出来事を知らずに手袋を拾う
▼子どもたちは、この物語を通して、動物たちの森の生活を想像したり、自然の豊かさを感じたり、物語の展開を楽しんだりするのだろうか。大人は、自分とは無関係に森羅万象が起こる世の「不思議」に、思いを広げるのかもしれない。柳田邦男は、子どもの頃と子育ての頃、さらには後年、生涯に三度絵本や童話を読むことをすすめている
▼ところで、絵本を読み、メモをしていると、「「よかったらこれもどうぞ」と客室乗務員があと2冊持ってきた。また、もう一人がお菓子の袋を持ってきてくれた。二人は絵本が好きに違いない。お菓子は孫へのおみやげにということだろうが、僕は自分で食べた
▼小さい子どもたちも小さくないおじいも同じ、甘いお菓子と面白い物語と、優しいおねえさんが大好きである
▼飛行機を降りるとき、お礼が言いたくて最後列に並んだ。