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行雲流水
2012年12月6日(木)0:46

「トピアリー」(行雲流水)

 宮古空港の入り口や宮古島市袖山浄水場入り口さらには市亜熱帯植物園入り口や福山集落の入り口には宮古馬の緑の造形「トピアリー」が立っている。宮古島市市民運動実践協議会グリーン部会が企画設計。大東重興溶接所が製作したトピアリーである

▼宮古馬は絶滅が危ぶまれる日本在来馬8種の1種で国の「種の保存」に指定されている。性格はやさしく粗食と重労働にも耐え宮古の農作業や運送業に大きく尽力してきた。琉球王朝時代には武士の乗用。江戸幕府や中国への献上御用馬としても生産された

▼トピアリーとは彫刻的表現で鳥や動物の形に刈りこんだ西洋庭園における造園樹木を意味する。日本古来の松の仕立てや盆栽仕立ての樹木は含まない。樹木本来の姿を尊重する剪定とも異なる

▼鳥獣などの動物形。円すい形や台形などの幾何学形。さらには星や月などの天文形。トピアリーは人工的装飾本位の形で表現される。語源は遠く古代ローマ時代にまでさかのぼるという

▼ローマ北方の未開人種の名称だとか刈りこみ仕立てに従事していた奴隷への呼称だとか語源は定かではない。庭師の腕を最も示すのが樹木の刈りこみ仕立てだったことで庭師の仕事を意味する「トピアリウス」から転じたとも言われている

▼つまりはトピアリーは西洋造園芸では庭師の代名詞であり15~17世紀のイギリス様式庭園では不可欠の緑の重要な造形となった。そして19世紀末には建築と一体化した庭園技法として再評価され今日に至っている。

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