安倍政権が発足した。歳末の床屋談義は、安倍内閣の閣僚や針路の話題でにぎわうことになりそうだ

▼今年１年中騒いだ「社会保障と税の一体改革」は、３党合意の既定路線を踏襲するであろう。問題は、その前提となる景気回復策だ。打ち上げ花火のような一過性のものではなく、持続的な経済成長路線を敷くことができるかどうかがカギだ。その手法は一筋縄ではいかない。こちらを立てればあちらが立たずというトレードオフの関係を調節する難問が山積している

▼都市と地方の格差是正策にも注目したい。例えば一括交付金制度を改善し、安定的運用を図ることも課題だ。政治主導の立法措置により財務官僚の裁量範囲を狭める必要があろう

▼尖閣問題を軟着陸させる手腕も問われている。領土紛争を棚上げして、漁業に関する暫定協定締結に取り組むことがベターではないだろうか。市民レベルでは、漁場の操業秩序を確立することに異存はないハズだ

▼ＴＰＰ交渉参加は、正確な情報がないために不安ばかりが募る。安倍総裁の選挙演説には、「コメ」と並んで「砂糖」という言葉があった。宮古島のサトウキビについての問題意識はあるようだ。速やかに情報を開示して、地方と共に問題点、課題、解決策を考えてほしい。「抜き打ち」や「斬り捨て」は江戸時代の作法だ

▼中央政界のゴタゴタは来年６月までは続くであろう。が、地方の生活道路には「一寸先は闇」という道はない。足元をしっかり見つめて前向きに進んでいきたいものだ。それでは、良いお年を！