3本柱に続く産業の振興を/下地昌明村長インタビュー
新たな航空路線の実現へ
昨年は産業の3本柱となる畜産業、サトウキビ、葉タバコ共に安定して良かった。
畜産は穀物飼料の高止まり等の懸念もあったが、状況に応じて生産者の意欲を維持できるように支援していきたい。また多良間村も例にもれず高齢化が進んでおり、後継者の育成も課題だ。幸い青年従事者も現れてきており、スムーズな世代交代が進むよう条件環境の向上に努めたい。
サトウキビについては、黒糖日本一の名を維持したい。昨年は品薄の時機に対応した出荷等もあり、さらに付加価値を高めていきたい。
葉タバコについては、9農家だがいずれも年収1000万円を超える可能性が高く、肥培管理など切磋琢磨して頑張っていただきたい。収穫が短期間でできるメリットがあり、昨年はその点でうまくできた。また土地の輪作といった有効活用も順調に行われており、島の土地スペースを考えた場合、これはとても重要な点で、今後も工夫に期待したい。
ともかく島の利点を生かす工夫は大切で、牛などは、放牧場が数あるのは強みだ。特に子牛などの段階で放牧されると足腰が良くなり、引いてはそれが成牛の段階において肉質の向上等にも結びつき、セリ価格の高値維持につながっている。
総じて現在は安定した生産が行われているが、懸念としてあるのがTPP問題だ。これは農産業への影響が大きく、実施されれば農産業が破壊されてしまう。絶対反対だ。何とか食い止める方向で頑張っていきたい。今後、園芸やカボチャといった品目等についても導入を進めたいと考えており、生産環境は何が何でも守っていきたい。
今年については、一括交付金等を活用して特に観光産業に力を入れたい。幸い、石垣と多良間を結ぶ航空路線の実現が年内にも図れる見通しとなっている。実現すれば、観光業はもとより、幅広い分野において多大な影響が期待される。例えば特産品の開発なども大きな後押しとなる。将来的には、と畜場の建設など畜産面の6次化も視野に入れており、観光業と連動させる形で振興を図ってまいりたい。
民生面においては、昨今の防災意識の高まりもあり、安心安全な暮らしに努めたい。特に多良間島は平坦な土地柄もあり、村民の不安を払拭するためにも、島の高台に避難スペースを設け、アクセス道路を整備するなど、万全を期したい。
総じて若年層が元気を持てる島にしたい。また今年は生まれ島大会の開催も予定されており、多くの郷友を招いて意義深いものにしたい。そのためにも郷友会活動にも力を入れてまいりたい。
多くの課題もあるが、村民一致団結して乗り越え、美しい島づくりにまい進できる一年となるよう、村民全ての健康と併せて年頭の願いとあいさつとします。