伝統漁法で大漁/宮古近海でカツオ・マグロ操業
喜翁丸 尖閣でウブシュウ釣り
宮古では、伊良部漁協(友利義文組合長)所属の漁船がカツオ一本釣りなどで操業し、池間漁協(長嶺厳組合長)所属の漁船が高級魚のアカジンミーバイなどを中心に水揚げしている。水産業で活躍している漁師たちを紹介する。
喜翁丸(9・9㌧、漢那一浩船長)は、宮古・尖閣諸島漁場で操業を展開し、竿釣りでカツオ、シビ(キハダマグロの幼魚)、ウブシュウ(スマ)を水揚げする。一日の最多水揚げ量は約3㌧。漢那船長は「航海安全で大漁が第一。今年も安定した漁獲高を維持し、水産業の発展に少しでも貢献したい」と決意を新たにする。
宮古では、南北の沖合に設置されているパヤオ(表層浮き魚礁、中層浮き魚礁)が主な漁場で、カツオ、シビを水揚げする。島外出荷に力を入れ、大型スーパーなどで販売される。
尖閣諸島では、冬の味覚とされるウブシュウを漁獲する。毎年ウブシュウに脂が乗っている12月下旬~2月ごろまで出漁する。重さが3~4㌔。キロ当たりの販売価格は600円を予定。
同諸島は、伊良部島北西160㌔以上に位置し、漁船の片道航海は7~8時間とされる。ウブシュウの群れは荒波の海域に回遊し、速い潮流にもまれながら身が引き締まるとされる。
約3年前から船長の父と一緒に働く漢那竜也さんは「漁業は面白くて楽しい。カツオが群れで回遊している上空の鳥山を見つけ、そこの漁場に直航してカツオを釣る。大漁に恵まれた時は、とてもうれしい。今年も海鳥の大群で形成される鳥山を見つけたい」と意欲を見せる。
乗組員は次の通り。(敬称略)
漢那一浩(64、船長)、漢那竜也(37)、池村武弘(54)、伊舎堂武夫(70)、友利厚(59)、浜川輝一(58)
尖閣諸島 魚釣島、久場島(別名黄尾嶼など)、大正島(別名赤尾嶼など)、北小島、南小島の5島と3岩礁の総称。