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行雲流水
2013年2月6日(水)23:27

「国政選挙の開票速報」(行雲流水)

 国政選挙になると大手テレビメディアは開票状況の〝速報〟を競い合うかのように流す。固唾をのんで結果待ちする候補者や選挙運動に必死に励んできた支持者にとってはこの速報はありがたいものとなるであろう


▼それ故か例えばNHK等も投開票日の何日も前から報道機材や棒グラフや円グラフなどテレビの情報画面や全国各局に配置することになる出口調査員の陣容など万全の態勢で臨んでいることを誇らしげに細々と事前紹介している

▼その結果開票わずか一ケタの数値でも早々と当確を打ち出したり当該選挙管理委員会は開票さえもしていないのに〝疾きこと風のごとく〟超スピードで「当確」情報を流したりする

▼市民はもとより将来の有権者たる児童生徒までが「開票率0%なのに?」と納得しかね早とちり報道ではないかと疑う。しかしテレビ局は「独自の事前調査や出口調査の結果を統計学的に分析し勘案した結果」の報道と胸を張る

▼そして「変化の激しい当世に即応した報道」との声も言外から響いてくる。が、開票の結果数によってのみ正式には選管が決定づける〝当落〟を一報道社が他局と競争するがごとく伝えることの緊急性とは何か。腑に落ちない

▼有権者は投じた一票が時の政権を生み向後の己の生活に深く関わっていくことを思いテレビの開票画面に注目する。己の票に上積みされる票数に期待しながら見入っている。そんな真摯な思いを断ち切るような開票0%の当確報道は結果として国民の投票意識を冷えさせることになりはしないか。

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