行雲流水
2013年3月25日(月)23:17
「屈辱の日」(行雲流水)
『沖縄を返せ』。「固き土を破りて、民族の怒りに燃ゆる島、沖縄よ。われらとわれらの祖先が、血と汗をもて、守り育てた沖縄よ。われらは叫ぶ沖縄よ、われらのものだ沖縄は、沖縄を返せ、沖縄を返せ」
▼1952年4月28日に、サンフランシスコ平和条約が発効して、日本は独立国となったが、第3条によって沖縄は本土から切り離された。また同時に発効した日米安保条約の下、米軍による土地の強制収用が行われ、基地が次々に造られていった
▼沖縄では、この4月28日を「屈辱の日」と呼んで、毎年、祖国復帰と平和を訴える大会と行進が各地で行われた。宮古の行進でも、大群衆が冒頭の歌をうたい、「沖縄を返せ」のシュプレヒコールを叫んだ
▼カイロ宣言とポツダム宣言によって、「領土不拡大」と「占領軍の早期撤退」は戦後処理の国際的な原則である。しかし、それに反して、沖縄は27年間も米軍の支配下で人権を蹂躙された。また米国の世界戦略のための基地は増強された。アメリカの不当性とそれに従属する日本政府の姿勢が沖縄問題の原点にあることを明確に意識したい。沖縄にとっての「屈辱の日」を、「主権回復の日」として政府が式典を行うことは、沖縄の苦難の歴史をないがしろにすることである
▼復帰運動の中で、「小指の痛みは全身の痛み」という言葉を聞いた。現在、全身の痛みが、ますます小指に寄せ集められている
▼「どこまで続くぬかるみぞ」という言葉も聞いた。ぬかるみはいよいよ重くのしかかってくる。