劇団四季の宮古公演支えて8年/宮古島市文化振興友の会
主役 渡久山さん効果で追加公演
海外ミュージカルからオリジナルミュージカル、ストレートプレイまで年間3000回以上の公演を行う劇団四季。全国に9つの拠点があり、俳優・スタッフ700人余の日本最大規模の劇団集団。宮古島市文化振興友の会(比嘉克子会長)は8年前から、同劇団の宮古公演をサポートしてきた。今回は8日にマティダ市民劇場で「王様の耳はロバの耳」が上演された。特に主役に抜てきされた伊良部島出身の渡久山慶さんの凱旋公演とあってチケットも完売、翌日追加公演となるなど盛況を極めた。比嘉会長は「次第に地域に認
知されてきた感がする。子どもたちには本物を見せたい。そんな思いできょうまできた。とりわけ、今回の公演は慶さん効果で反響も大きかった」と喜ぶ。
「こころの劇場」と銘打って毎年、300人の子どもたちに無料で観劇に招待している劇団四季。「子どもたちの心に生命の大切さ、人を思いやる心、信じ合う喜びなど、人が生きていく上で最も大切なものを舞台を通じて語り掛けたい」として、常にテーマ性をアピールする。日本にミュージカルを定着させるのに大きな役割を果たした。
創立は1953年、東大仏文科の学生、慶應義塾大仏文科の学生(浅利慶太、日下武史ら)を中心に結成された学生演劇集団だった。現時点では、福岡、東京、名古屋、大阪、札幌などに専用劇場を所有、公演を行っている。宮古での公演は、2005年の「魔法をすてたマジョリン」、06年「ジョン万次郎の夢」、07年「ユタと不思議な仲間たち」、08年「人間になりたがった猫」、09年に「エルコスの祈り」、10年「嵐の中の子どもたち」、12年「ユタと不思議な仲間たち」を公演してきた。
友の会は、最初行政と民間の両輪でスタートした。当時、市文化振興課に事務局を置き、チケットの販売なども官民一体で積極的に行った。活動資金として助成金もあったが、現在は自主運営となった。立ち上げの会則(案)などを作成したのは当時、市文化振興課長だった古堅宗和さん。
09年から事務局を務める武藤佳代子さんは「来て頂くたびに、団員が学校などを訪ねてワークショップを行っている。今回は、渡久山さんの母校伊良部小学校と東小学校で美しい日本語教室を開催した。公演の回数を重ねるたびに子どもたちの関心は大きく変わってきている。聞くマナーや見るマナーも変わってきた」と話し、演劇を通し情操環境が徐々に変化してきたことを確心する。