行雲流水
2013年4月15日(月)23:41
「日台漁業協定」
「日本外交に理性と誠実さを」というタイトルのインタビュー記事で、元自民党総裁、外務大臣、衆議院議長の河野洋平氏は尖閣問題について次のように述べている]
▼日中国交回復時に、現在はこの問題を解決する知恵を私たちは持たないので、解決は次世代に委ねると中国側が明確に表明した。ということは、それまでは尖閣諸島を日本が実効支配しているという現状を維持するということに他ならない
▼尖閣をめぐっては、このように日中間に一つの合意があったにもかかわらず、なぜここまで問題化してしまったのか。それは明らかに石原都知事のパフォーマンスに始まる。そして、悪いことには、野田政権が尖閣を国有化してしまった。国有化は、日中の合意した現状維持から明らかに踏み込んでいると、河野氏は指摘する
▼この問題については、いろいろな考えがあるが、日中間で合意したことは尊重されるべきであった
▼オバマ政権も昨年、野田政権の相談に応じて、日本政府による尖閣諸島の国有化は、中国側が強く反発し危機を引き起こす恐れがあるとして、反対する考えを示していたことを、9日、キャンベル前米国務次官補が明らかにした。この問題に対する日本政府に不手際があったことは覆うべくもない
▼そして、今回、日台漁業協定が結ばれ、日本は台湾に大きく譲歩した。尖閣問題における「中台連携」をけん制する狙いがあるとされる。国策によって、またもや、沖縄の漁民に不利益が及ぶことが懸念される。今後の成り行きを注目したい。