吟詠で心と体の健康を/宮古島吟詠会
「吟は心の泉」伝統の詩吟に親しむ
詩吟は日本伝統文化の一つ。漢詩や和歌、俳句、新体詩などを独特の節回しで吟じ(歌い)、吟詠、吟道ともいう。腹式呼吸による発声で、リズムカルに琴や尺八に乗せて吟ずることもある。何より「礼と節」を重んじ歴史を学ぶことから、近年は若者にも人気があるといわれる。宮古島吟詠会(小川栄一世話役)は昨年8月に結成され、ゆいみなぁで毎週金曜日に活動する。指導に当たるのは、沖縄県漢詩連盟事務局長で沖縄海邦岳風会副会長の上原信吉さん(正師範)。毎月1度来島して集中的に指導、会員は琉球漢詩などから歴史を学び、発声の練習にも余念がない。(佐渡山政子)
詩吟の特徴は詩文をリズム、メロディに乗せて詠うのではなく、素読(朗読)を基本として特有の節調(メロディ)を加えることで、より効果的に詩情を表現しようというもの。
詩吟は流派がいろいろあるが、沖縄海邦岳風会(金城岳周会長)は日本詩吟学院の傘下にあり、県内に約300人の会員が所属する。
宮古島詩吟クラブは現在15人の登録で、毎週金曜午後2時からの活動。世話役の小川さん(城辺福里)は、6年前まで住んでいた那覇市で約3年間、詩吟をたしなんでおり、今回上原さんとの出会いでサークル結成が実現した。小川さんは「同好会ではなく、しっかりと勉強したかった。友人の紹介でちょうど宮古島での支部結成を望んでいた上原先生との出会いが幸運だった」と話す。
週3回は、小川世話役を中心に独自の勉強会。日本詩吟学院(岳風会)の吟詠教本や琉球漢詩吟詠集などを活用して発声の練習を行う。全身の筋肉を共鳴体として発声する声出しは、姿勢、呼吸法、意識を集めることを必要とし、会場の研修室は、張りつめた空気の中にも技術を習得したいという会員の真剣な意気込みが伝わっていた。中には、口形イメージをつかむため手前に鏡を置いて発声する姿も見られた。
会員で書もたしなむ親泊宗二さんは「最初、漢詩に興味を持って入った。実際に吟じるのはまた独特な記号などを習得しないとできないが、発声など基本的なことをしっかり身に付け、吟じて書く段階まで頑張りたい。将来孫にも教え、一緒に吟じたい」と張り切る。小川世話役は「みんなで吟詠を楽しみながら、一方で年2回の実技テストを受け、実力と段位の取得を目指そう」と加入を呼び掛ける。詳しくは090-9562-4066(小川)まで。