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行雲流水
2013年7月4日(木)9:00

「参議院選挙公示」(行雲流水)

 きょうは、参議院議員選挙の公示日だ。3年に1度、参議院議員の半数が改選される。任期は6年。衆議院はその時々の民意を反映する仕組みだが、参議院は長期・安定的な民意を反映する仕組みだ


▼大多数の先進国の国会は、二院制を採用している。民意の暴走、民意の代表である権力の暴走を防ぐためだ。「民意は暴走もする。時間がたてば冷静に戻る」との歴史の教訓があるからだ

▼フランス革命初期の指導者シェイエスは「第二院は何の役に立つのか。もし第一院に一致するならば無用であり、反対するのであれば有害である」として一院制を採用。その結果、権力が暴走して恐怖政治が行われたとされている

▼今でも、参議院無用論はある。終戦直後GHQが示した最初の憲法草案も一院制であった。しかし、松本蒸治国務大臣がその場で反対。ホイットニーに二院制の検討を約束させて、現行憲法草案ができたという経緯もある

▼国会には二つの機能が求められている。スピード感のある民意の集約と多様な民意の反映だ。この二つの機能を分担し、補足し合うためには二院制でなければならないとの考えが、憲法制定当時も今も主流である

▼ところが先月、参議院はぶざまな姿を露呈した。法的拘束力のない総理大臣問責決議案の採決を優先し、重要法案を廃案にした。「良識の府」を自ら返上、国民不在の党利党略の実態を国民に見せつけた。今回の選挙の争点は、「ねじれ現象」解消の是非であろう。理想と現実のはざまで、悩ましい選択を迫られる夏がやって来た。(柳)

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