行雲流水
2013年8月24日(土)9:00
「芋の出荷」(行雲流水)
「買取実績55㌧、計画の半分」の見出しで8月16日の本紙に芋生産販売組合総会の記事が掲載された。宮古島市いも生産販売組合の買取実績とはいかなることかと、記事を読み進むうちにおぼろげながらその意味が分かった
▼市いも生産組合とは商品の原料となる芋の生産組合のことで、収穫した芋を買い取ってもらった実績、すなわち芋の出荷実績が計画の半分しかなかったということだが、芋を買い取ってくれるはずの業者の姿が見えないまま荒れた総会の様子だけが報じられている
▼「同組合は紫イモの安定生産・供給を目的に昨年の8月に設立」された。安定生産・供給を目的としたということはそれ相応の需要があったと思える。初年度の販売量を120㌧としたのはそれだけの需要が見込まれたということだ
▼ところが実績55㌧にとどまった。見込み違いということだが、それに関して市当局が「販売先が不透明」だったと釈明している。芋を買い取るはずの加工業者が定かでなかったということだ
▼行政は芋の需要についての市場調査をふまえて生産組合設立を指導したと思えるが、芋の引き取り先が不確かであったとの釈明は釈明にならない。それでは、何の調査もなく思いつきで芋の生産を奨励したことになる
▼芋を原料とした加工製品・商品開発・販売といった一連の流れを見通したうえでの生産組合の存在意義ではないのか。生産組合を指導する市当局には「販路が拡大し軌道に乗るまで、互いに協力して頑張れ」といった具体性のない言葉でなく加工業者の実態、商品開発、商品の販売ルートはどうかといったことの説明義務があるはずだ。(凡)