行雲流水
2013年9月5日(木)9:07
「市街地の緑」(行雲流水)
連日校庭に散乱するジュースやコーラ等の空き缶。学校は校庭の要所に収集用のごみ籠を幾つも設置し校庭美化について繰り返し指導した。当初は確かに効果があった。が、半年が過ぎた頃には元の木阿弥になったと言う。K高校職員の述懐である
▼時同じく全国の国道等でも走行車両からの空き缶ポイ捨てが問題になっていた。関係機関の現地調査によるとポイ捨て投棄は雑草が生い茂っているカーブに集中。雑草を除去し見通しをよくすると空き缶は激減
▼K高校はこの結果報告を参考に生徒を動員して校庭の芝張り作業に着手。一年後鮮やかな緑の芝生に覆われた校庭に空き缶の姿は見られなくなった。芝生の緑は生徒の心情や生活行動に大きな変化をもたらしたのである
▼青少年の健全育成について取り巻く環境の浄化を強調する声はよく耳にするが校内の豊かな緑と生徒の心情との関わりを真摯に提唱した事例は寡聞にして聞かない
▼わが宮古島のまち中ではコンクリート建造物は林立しても緑あふれる樹木はむげに撤去され減少の一途をたどっている。市街地の緑は市民が各自の庭で植栽している樹木の総量で何とか保たれている
▼道路行政担当者の街路樹への対応や認識も直言すると貧しい。本紙の「暮らしのパトロールこちら110番」で指摘された元宮古病院裏新設道路のイペー並木の立ち枯れ同様わびしいの一語に尽きる。K高校の生徒たちが校内環境を改め実感したように緑豊かな街路樹は道行く人々に穏やかな心情をもたらしてくれるはずなのにである。(知)