行雲流水
2013年10月19日(土)9:00
「ミフクラギ」(行雲流水)
通勤途中にある道路の街路樹に毛虫が大量発生し、枝が切られたことがあった。友人は毛虫の立場で「木の下を通るときは傘を差せばいいではないか」と話したが、苦笑せざるを得なかった。しかし、切られた木を見て「何という乱暴な切り方だ」と心がふさいだ。見慣れた風景が一変したのだ
▼スズメのふんが歩道に落ちるので、ねぐらだったセンダンの木が根元から切られたこともあった。自然環境に合わなかったのか、植えられた後すぐに枯れてしまい撤去された街路樹もあった。そして今度は盛加越公園に植えられているミフクラギ(オキナワキョウチクトウ)だ
▼沖縄本島でこの実を口にした1歳男児が病院に搬送された。有毒だったのだ。幸い命に別条はなかったが、公園を管理する県は子供たちが多く利用する場所などで伐採を検討しているという
▼盛加越公園を管理する市も安全を考慮し、伐採を検討しているようだがほかに対策はないのだろうか。例えば木に近づけないように、または落下した果実が目に付かないように周囲に低木を植えるとか、果実が地面に落ちないようにネットを張るとか…
▼大人が子供に有毒な樹木の種類を知識として伝えていくことも大事だろう。昔の子供たちは、両親や祖父母らにどの実が食べられ、どれが食べられないかを教えられ野山で遊んだ。「自然との共生」。捉え方はさまざまだろうが、人間も生態系という輪の中に組み込まれていることにもう一度目を向けたい。(地)