行雲流水
2013年10月22日(火)9:00
「世界食料デー」(行雲流水)
毎年、10月16日は世界の食料問題を考える日として国連が制定した「世界食料デー」である。世界の一人一人が協力しあい、最も重要な基本的人権である「すべての人に食糧を」を現実のものにし、世界に広がる栄養不良、飢餓、極度の貧困を解決していくことを目的にしている
▼日本国際飢餓対策機構では、「ハンガーゼロ(飢餓撲滅)を目指して…世界を変える希望のために」をスローガンに各地で大会を開いており、当地でも第22回宮古大会が開催された
▼世界ではおよそ10億人の人が飢餓に苦しんでいる。6秒に一人の子どもが栄養不足などで死んでいる。大会では、このような悲惨な状況や、機構の支援によって食にありつけ、学校に行けるようになった子どもたちの喜びの声が映像と啓発総主事の田村治郎氏の講話で紹介された
▼今回は親子大会が催され、世界の情勢を知るとともに、自らの「食」を考える契機にもなった。当地にも食欲が起こらず、従って唾液が分泌されずに食事が取れない子どもたちがいるという。それは飽食だけでなく、食をめぐる母子の親密さの欠如によるものだろう
▼ともあれ、世界では紛争や格差拡大によって貧困層が増えている。企業による輸出用の換金作物を作るために、土地を追われ、自給用の作物さえ作れなくなった農民の貧困化もすすんでいる
▼状況は厳しいが、機構は呼びかける-「私から始める世界が変わる」閉会は、マザーテレサの言葉の引用で結ばれた。「愛の反対は憎しみではなく無関心である」。(空)