行雲流水
2013年10月24日(木)9:00
「スポーツマンシップ」(行雲流水)
スポーツの秋だ。まつりの秋でもある。まつりの楽しさは、一体感や共感から生まれる。〝踊るあほうに見るあほう〟と揶揄されるほどだ。まつりにもいろいろあり、オリンピックは世界最大の〝スポーツの祭典〟だ
▼近代オリンピックの提唱者クーベルタンは、スポーツを通して「平和」を実現する処方箋を示した。「フェアプレーで、相手を尊敬し、自己のベストをつくす」スポーツマンシップの普及だ
▼競争は意欲や自主性の発露でもある。一概に悪いとはいえない。ただ、無節操な競争は摩擦を引き起こす。スポーツマンシップは文明社会にふさわしい競争原理として、今や人類共有の〝世界遺産〟になっているといっても過言ではない
▼動物的な攻撃本能を社会的価値の高いものへと代えていく能力は人間特有のものだという。この昇華能力は体験による学習で獲得される、と専門家は指摘する。スポーツの世界では、全力で闘い、勝っても負けても握手で終わる。そのすがすがしさが共感を呼び、昇華能力が培われて行くのであろう
▼もともと、スポーツマンシップとステーツマンシップ(政治家の心構え)は1枚のコインの裏表だった。世紀の英国の貴族は、為政の場と狩猟などの遊び(スポーツ)の場の両面を持っていた。スポーツと政治の主役を演じていたのだ
▼宮古島市の議会議員選挙も、投票日が迫ってきた。これから票の獲得競争が激しくなる。俗に〝三日戦争〟という業界用語もあるが、フェアプレーでベストを尽くす成熟社会の選挙戦であってほしい。(柳)