行雲流水
2013年11月12日(火)9:00
「国際協力活動」(行雲流水)
先に、国際連合はユネスコ(国連教育科学文化機関)を設立、教育・科学および文化を通じて諸国民の協力を進めることによって、平和と人類の共通の福祉を促進することを謳った。その目的は十分に果たされているとは言えないが、各国には地道な努力が求められる
▼国際開発機構から、開発途上国の未来のために、豊かな知識と経験を生かして貢献する目的で、ラオスに派遣され、ラオス大学で教育に携わっている久貝勝盛氏の近況を紹介したい
▼メールによると、先日は、生物科の授業で豚の心臓の解剖実験をしている。一通りの心室、心房、静脈、動脈の説明、スケッチをさせる。その後が面白い。学生たちは実験に使い終わった心臓を料理、おいしい料理に変身させる。最初は少々の抵抗もあったが、今では学生たちと一緒に久貝氏も食しているという
▼毎週土曜日には教師、学生を対象に三線教室を開いている。日本語や英語の勉強をする学生も増えているという。氏は学生たちと親しく寄り添いながら、確実に彼らを高め、変革させている
▼最近は、琉球大学教育学部とラオス大学教育学部の交換留学生プログラムの手伝いもしている。9月には口唇裂手術支援のため琉球大学医学部のメンバーがラオスを訪ねている
▼世界では、「貧困」が広がり、また紛争も絶えることがない。その背景に経済覇権があり、無知と偏見がある。ユネスコ憲章の前文にいわく「戦争は人の心に生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」。(空)