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美ぎ島net
2013年11月24日(日)9:00

土に親しみ 収穫の喜びを/宮古青少年の家「ファミリーファーム」

16組が大きな家族に


青少年の家農場

青少年の家農場

 「この秋、君も実る 家族で農業体験」をキャッチフレーズに、宮古青少年の家(安慶田昌宏所長)は、9月から「2013年度ファミリー・ファーム」事業をスタートさせた。家族で農作業にいそしみ、勤労体験することによって親子の心のふれ合いを深めようというもので16ファミリー61人が参加した。初回は自己紹介、菜園割り当て、看板作りなども行われた。講師の前里和洋さん(宮古総合実業高校教諭)は菜園作りの基礎について話し、農作業を体験することで作物、人、虫などと触れあうことの大切さを気付かせた。5回の全体活動日の他、植物園東にある農園ではそれぞれの家族がさまざまな野菜を植え肥培管理している。最後の来年1月には収穫祭、野外炊飯も行われる。


虫との闘い始まる/ネット等の対策も

 10月初旬、2回目の活動日では播種・植え付けが行われ、各家族は整地した農園で好きな野菜の種や苗を植え付けた。今月と来月は肥培管理で肥料のやり方や防虫対策などを学んだ。山田潤子さんは、家族5人で参加し、ニンニクやタマネギ、二十日ネギ、ピーマン、マメ、トマト、ナス、ハーブのバジルなどを植えた。山田一家は、青森県から移住し1年半になる。潤子さんは青森でも家庭菜園の経験があり参加した。「いろいろ植えてみたが、ネットやビニールを張らないと虫にやられてしまう。東北の気候とはまるで違うので虫との闘いになりそう」と苦笑した。

 山田さんとは支援センターで知り合ったという島垣幸子さん(兵庫県出身)は、家族4人で応募した。ジャガイモ、ニンジン、大根、トマト、シュンギクなどを植えた。島に住んで8年になるという島垣さんだが、農作業体験は初めて。「経験のある山田さんにいろいろ教えてもらっているが、テントウムシやカタツムリにやられて双葉さえも見られない」と笑う。

 城辺字友利に住む源河恵子さんは、夫武和さんと娘4人の6人家族。来年春、長女の優香さんが高校を卒業して島を出るので、思い出づくりに参加したという。17日夕、みんなで水遣りに来た。レタスやエンサイの種を蒔いたものの芽が出ないうちに鳥や虫にやられたようだとがっかり。「また、もう一度播種からはじめます」と恵子さん。

 道路に近い日当たりの良いほ場で、10種類近い野菜に挑戦するゴメスさん一家。ミュージシャンのダミアォン・ゴメスさん(ブラジル出身)に平良出身の美智子さん、娘の奈菜ちゃん(小1)、息子の政梧くん(幼稚園)の4人家族。ハンダマ、クロマメ、ブロッコリー、カリフラワー、ニンニク、ネギ、キャベツ、ナス、トマトなどの種や苗を植えた。まめな水遣りで、結構青々と生長している。

 10月初旬の日曜日、農園に美智子さんと奈菜ちゃん、政梧くんの姿があった。「今日は、パパ東京に出張」と話し、水タンクからジョウロで水を運ぶ2人。母親を助けていた。美智子さんは「家でも少し菜園をやっているが、またこうして多くの家族と一緒に農作業ができるのは友人もたくさんできて楽しい」と話した。

農園は一つの家族/来年1月は収穫祭

 農園は、垣根のないほ場で、お隣さんと声を掛け合い、教えたり、習ったりのコミュニケーションがあり、まるで一つの家族のような農作業が展開されている。事業担当の奥濱実さんは「整地、植え付け、肥培管理、収穫の喜びなど一貫した農作業を親子で取り組めるというのが何より。畑の一角には日本ソバの播種も行う予定で、収穫祭にはソバ粉のケーキも期待できる」と話す。

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