生涯スポーツに「注目の的」/吹矢レクリエーション宮古島
認知度高める「吹き矢」/脳トレ、リハビリ、認知症予防に
複式呼吸で健康と美容、ストレス解消、仲間づくりなどの効果がもたらされるとして認知度が高まってきた「レクリエーション吹き矢」。今年1月から公民館サークル活動などで知られるようになり、現在20人の愛好者が和気あいあいと吹き矢を楽しんでいる。普及活動に力を入れるのは日本吹矢レクリエーション協会公認指導員の齋藤司さん(61)。9日、平良老人福祉センターで開かれた吹矢レクリエーション宮古島の「クリスマス交流会」では、会員らが吹き矢を楽しみながら仲間たちとの交流を深めた。
吹き矢は約1㍍の細長い筒を吹いて、12㌢程度の矢を28㌢四方の的に向けて飛ばす標的競技。的には「競技型」「ビンゴ型」「レクリエーション型」があり、ゲーム性を持たせ、誰もが楽しめるように創意工夫された。20発の吹き矢で30分のウオーキングと同等のエネルギー消費が可能とされ、自律神経の強化や脳の活性化、集中力、持続力の向上、心肺機能の強化、計算能力の向上、ストレスの発散などの効果が期待される。
また、多くの運動量を必要とせず、過度の緊張感も強いず高度なテクニックも要求されないため、性別や年齢を問わず高齢者から障がいを持つ人たちまで幅広く気軽に楽しめるとしてユニバーサル生涯スポーツと言われるようになった。中にはリハビリとして身体機能の回復に活用するケースも見られ、効果的な有酸素運動として注目を集める。
最近では、教育科目として運動機能向上、マナー・しつけが身に付くなど、青少年にとっても幅広い効果があり、情操教育活動の一環として小・中・高校で取り上げられるようになった。クラブ活動としての傾向も増えてきた。
今後、高齢者社会にあっては生涯スポーツとして健康づくり、生きがいづくり、認知症予防などにも大いに貢献することが期待される。高齢者用には安全のために吸盤式の吹き矢もある。
吹矢レクリエーション宮古島の活動
現在、週2回の活動は、宮古島市老人福祉センターで火曜日、市中央公民館で水曜日のいずれも午前9時30分から始まる。講師の齋藤さんを中心に準備運動をした後、2~3人のチームに分かれ競技開始。まず、筒を持った両手を上に上げて背筋を伸ばし大きく息を吸い込む。ゆっくり筒を降ろしながら息を吐く。改めて息を吸いながら筒のマウスピースをくわえて的に向け狙いを定めながら、溜めた息を一気に吐き出して矢を飛ばす。この一連の呼吸法が矢をうまく飛ばすためのポイントで、自然に腹式呼吸を身に付けていく。
参加者の下地國雄さんは「4月に入会した。頑固な蓄膿症に悩まされていたが気が付いたらそれまで手放せなかったティッシュが要らなくなっていた」と笑う。また、神谷吉隆さんは「昔から忍者が好きで遊び心から入ったが、少ないと言われていた肺活量が増えた気がする」と楽しそうに話す。夫婦での参加も多い。チームでプレーすることから初めての人たちとも仲良くなれ、仲間作りの効果も期待できる。