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行雲流水
2013年12月21日(土)8:55

「再任用制度」(行雲流水)

 仕事があまりない地域では役所が大きな雇用の場となっている。宮古島市も例外ではなく、市職員採用試験には例年400人を超える申し込みがあり、約20倍という狭き門だ。本土からの受験者も多く、景気に左右されない安定した仕事として人気が高いのは昔も今も同じだ

▼そんな人気の仕事だが、採用枠が制限される可能性が出てきた。退職した市町村職員を再び職員として採用する「再任用制度」の条例化がそれだ。市議会12月定例会では継続審査となったが、県は未制定の自治体に対し早急に必要な措置を講ずるよう求めている

▼再任用の条例が制定されているのは今年3月31日現在で全国の市・特別区93・8%に対し、県内11市は2市のみで18・2%。全国の町村では89・0%だが、県内30町村では10町村33・3%と低い状況にあるという

▼公的年金の報酬比例部分の支給開始の年齢が60歳から65歳に引き上げられることに伴い、無収入期間が発生しないようにするためだという。国は雇用と年金の接続を図ることが官民共通の課題となっているというが、都合のいい詭弁としか思えない

▼市町村合併で膨れあがった市職員数を類似自治体並みに削減しようとする中、議員の間でも「宮古島市にはそぐわない」との声が上がっている。何でも全国並みにしようとすれば、小規模自治体は影響を受けるものだ

▼下地敏彦市長は、法律を執行するという行政の立場と、若者定住につながる雇用の確保という不一致にジレンマを感じている。双方の課題解決に向けて軟着陸できるか。「行政のプロ」としての手腕に期待したい。

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