目標は日本一 競技歴2年で2度全国準V/3月の全国大会に照準
高校女子ウエートリフティング63㌔級 福里悠(宮高2年)
宮古高校入学後、バスケットボールからウエートリフティングに転向した福里悠(2年)。1年目からその才能を開花させ、2013年3月に1年生ながら全国大会女子63㌔級で準優勝に輝いた。2年生で迎えた同年7月の全国大会でも再び準優勝を獲得。優勝選手との差は4カ月間で半分に縮まっていた。そして今年は全国制覇を目標に掲げ、3月の全国大会に臨む。
当初は高校でもバスケットボール部入部を考えていたという福里。中学の先輩である佐渡山彩奈が宮高ウエートリフティング部に入部し全国大会で活躍している姿を見て、「自分も全国大会を目指したい」との思いから転向を決意したという。
「人がやっているのを見ると簡単そうに見えるが、実際にやってみると思ったように持ち上げることができずびっくりした」と入部当初を振り返る。そこから練習を重ねるごとに挙げられるウエートはどんどん伸びていった。「持ち上げる競技なので、これまで挙げられなかったウェートを挙げられるようになったときが楽しい」と同競技の魅力を語る。
13年3月に1年生で挑んだ全国高校選抜大会で福里は、スナッチとクリーン&ジャークのトータルで優勝選手の173㌔に次ぐ150㌔を挙げ2位を獲得。佐渡山が3年生の時に獲得した全国3位という宮高としての最高順位を1年目で更新した。
2年生のシーズンは6月の県高校総体と11月の県高校新人大会の二つの県大会を制したほか、7月の全国高校女子選手権大会では3月大会の記録をトータルで17㌔上回る167㌔を挙げ再び準優勝を獲得。連覇した優勝者との差は23㌔から11㌔にまで縮めた。
12月にはナショナルトレーニングセンター(東京)で開催されたジュニアエリート合宿にも参加。今年1月の九州選抜大会と3月の全国高校選抜大会に向け強化に励んできた。
2年目を振り返り「2回目の全国大会経験し、1位選手との差を縮めることができた。自分の課題もたくさん見つけることができた。けがもしたが、どういうケアをすべきを知ることもできた。自分を見つけていくことができた1年だった」とした上で、今年の目標には「日本一」を掲げる。「3月の全国選抜までに体を作り、体調管理をしながらしっかりと練習をして、1位の選手を超えて全国制覇を目指したい。そうすることが学校や地域、家族への恩返しになると思うので、しっかりと頑張りたい」と決意を示した。
全国1位を狙うことができる選手に成長したが、今でも時々、自身がウエートリフティングをしていることを「あり得ないこと」と思うことがあるという。「中学の時はウエートをするとは全然考えてもいなかった。その競技で全国2位まで行けたことは信じられない気持ちもあるが、今はウエートを始めて良かったと思っている」と同競技と出会えたことの喜びを語った。
2011年4月に宮高に就任してウエートリフティング部を立ち上げ、同部を県トップレベルに育て上げた渡慶次晃教諭は、福里の強さについて「日々、意識を持ってトレーニングに取り組んでいるところが良いところ。強くなりたいと自分から積極的に練習をしていて、その結果として大会で良い結果が残せていると思う」と分析。全国制覇の目標に向けては「筋力はまだ弱い部分がある。トータルの筋力バランスの強化に取り組んで鍛えていきたい」との考えを示した。