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行雲流水
2014年1月30日(木)8:55

「琉球八景(久貝清次展)」(行雲流水)

 目を大きく見開き神経を集中させても並の人には時計の短針の動きは見定められない。とはいえ短針は確かに動いている。盤上を2周して確実に24時間の時を刻んでいる。この〝不動の動〟の変化を1年間自身の顔に反映させた画家がいる

▼久貝清次氏である。氏は正月元日から大晦日までの1年間ヒゲもそらず頭髪も切らず連日同一時刻に定点カメラの正面に立って自身のありのままの顔を撮り続けた。この一見奇異な写真365枚は撮影順に並べると横6㍍余にも及んだ

▼前半と後半の写真を見比べれば伸びたヒゲや頭髪によって氏の顔の変わりようは歴然としている。しかし一両日に限って比較すると誰も変化したとは思わない。氏は言う「日常茶飯事に執心すると人の感性は鈍り大局の変化も変化として認知できなくなる」と

▼〝木を見て森を見ず〟である。画家久貝清次氏は宮古島市鏡原の出身で宮古高校を卒業し上京。御茶ノ水美術学院研究科卒。日本橋高島屋宣研に入社。東京デザイナー学院の講師も務めた

▼雑誌「商店建築」表紙デザイン金賞。御茶ノ水美術学院展金賞。東京日本経済新聞社広告賞他多くの銀賞・奨励賞も受賞している。東京銀座プランタンで連続7年もグループ展開催。新宿・渋谷のギャラリーでもグループ展開催

▼浦添市美術館や沖縄平和祈念堂では個展開催。2005年詩と絵を融合させた受詩受画集「おかあさん」で第28回山之口貘賞受賞。詩人として毎年季刊詩誌「あすら」に作品発表。現在那覇市民ギャラリーで「琉球八景」久貝清次展開催中。

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