地域に生かされ

本村　キミ子さん

　「おかげさまで昨年米寿を迎えることができました」と本村さん。かくしゃくとした振る舞いだ。今も畑に出向き、野菜作りにいそしむ。「菜っ葉、大根、ニンジン、土で育つものなら何でも作るよ」と言うが、始めたのは還暦を過ぎてから。

　「主人が亡くなったのが45歳。早かったよ」。以来、女手一つで６人の子育てに頑張ってきた。西原では珍しい衣類の販売を始めたのはその頃だ。「農業で６人の子育ては厳しかったからね。思い切ったよ」と商いに身を置いた結果、知り合いが増え、商いも軌道に乗った。そして「末っ子の大学卒業を機に商いを終えました」と言う。

　そんな折、知人の「私らには遊びがないね」の一言に触発されて「古謡だけど、未亡人を対象にコーラスグループを思い立ちました。始めは、コーラスとは何のお菓子か？と聞かれるレベルでしたけど、集まれば昔の恋愛よもやま話もでたりして、楽しく２０年余も続きました」と本村さん。人が地域を生かし、地域が人を生かしているようだ。

　
　子６人、孫１８人、ひ孫２０人。
　１９２６（大正１５）年８月８日生まれ