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行雲流水
2014年3月22日(土)8:55

「レーダーサイト」(行雲流水)

 軍事用レーダーで地上に設置される施設をレーダーサイトという。野原のレーダーサイトは航空自衛隊那覇基地の分屯基地である。日本復帰前までは米軍の施設であったが、復帰の翌年1973年2月15日にレーダー機材のすべてが日本に移管された

▼防衛の要となるレーダー施設であるから対空監視が任務であり、情報収集も重要な役割である。領空侵犯の疑いのある飛行物体を監視するほか、周辺地域の突発事態に備えて外国の軍隊が交信する電波を傍受・分析するための「地上電波測定装置」も設置されている

▼これらのことは国家秘密でもなんでもない。インターネットを開くと出てくる。宮古島にも防衛基地があると公表されているのだ。レーダーの探知能力を高めるためには大出力が必要だ。そのことが人体にどのように影響するのか「調査自体が非常に難しい」とされている

▼IARC(国際がん研究機関)は、2011年時点で携帯電話の発する電磁波ががんを発症する危険性について、「限定的ながら、可能性がある」と発表した。しかし、IARCは多数の論文を検討したうえで「さらなる研究が必要」とも指摘している(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

▼野原のレーダーは、日本復帰以前から宮古島で育った者にとってはなじみ深いものである。それが今「危険だから撤去すべきだ」と聞かされるといささか唐突に思える。1990年代に送電線の電磁波ががんに関係しているとした高圧送電線騒動が思い起こされるのだ

▼電磁波の中でも紫外線・X線・ガンマ線はがんを誘発するとのことで年間被ばく量が法律で決められているようだが、レーダーサイトから出力される電波もそうなのか。素人の素朴な疑問だ。

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