行雲流水
2014年5月15日(木)8:55
「人・農地プラン」(行雲流水)
離島の基幹作物サトウキビは台風に比較的強く、高齢者が容易に栽培できる利点がある。だが農家の高齢化が進むと、やがて耕作放棄地が増えるであろう
▼他方、サトウキビは国際競争力が弱い。この弱点を克服するためには機械化が必要だが、畑の区画面積が大きくないと機械化のメリットは出ない
▼そこで国は農地を集約化して、新たな担い手の育成を図ろうとしている。4月に発足した「農地中間管理機構」(農地バンク)は、その手段の一つだ。農地の出し手に交付金を支給し、一定規模の面積にまとめて地域の担い手に貸し出す業務を行う。貸し出す相手は宮古島市の「人・農地プラン」に合致していることが条件だ
▼集約化が進むかどうかは、市の取り組み次第だ。国の資金を活用して高齢化した農家を救済し、同時に担い手の育成や無利子資金などの振興策を導入する責務が市に課されている
▼「人・農地プラン」は、中心となる経営体と兼業農家や自給的農家など、地域農業のあり方を決める設計図だ。そこには生産品目や経営の複合化、6次産業化などが含まれる
▼プラン策定にあたっては、農家はもちろんJAや普及員OB、農業委員会などとの意見調整が必要だ。とりわけ、農家を組合員とする農協の役割が重要だ。農家の窓口となって、農協と白紙委任契約を結んだ農家の土地が市に上っていく仕組み作りも考えられる。一定規模のモデル事業を成功させることを目標に、早急にプラン策定に着手することを期待したい。