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行雲流水
2014年5月20日(火)8:55

「久貝勝盛帰国」

 日本の政府開発援助を一元的に行う国際協力機構(JICA)からラオスに派遣され、国立ラオス大学で自然科学科の生物教師として学生の指導に当たると共に、生物教員の知的向上のためのサポートを行った久貝勝盛氏が2年の任期を終えて帰国した

▼氏は学生の実態に即して自由に、創造的にカリキュラムを組んで学生の指導に当たった。その一つ、身近なキャンパス内の動植物の名前や役割からはじめて、「生物多様性」や「生態系」について指導、人間はあくまでも「自然の中の人間」であることの理解を深めた

▼並行して、全教員が協働して、生物調査や研究、写真撮影を行い、カラー写真400点を含む217ページの本にまとめて出版、全学生に配布している。この本は学内で大変喜ばれ、文部大臣からも高い評価を受けた

▼氏は授業の他に、地域や学校行事への参加、ことばや生活上のマナーの指導、三線教室の開設などを通して、学生と親しく交わりながら、彼らの知性を確実に高めた。また、琉球大学教育学部とラオス大学教育学部の交換留学生プログラムや、沖縄から派遣された高校生との交流会等で一定の役割を果たした

▼教育現場での優れた実践、市教育長として「教育の日」や教育研究所の創設、環境大臣賞を受賞した「サシバの研究や保護活動」等にみられる高い理念と実践力、それに国際的視野に立つ使命感が、このたびの国際貢献を見事に成就させた

▼氏が蒔(ま)いて芽を出した種子は、枝を大きく伸ばし、葉を広げていくことだろう。

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