行雲流水
2014年6月7日(土)8:55
「W杯サッカー」(行雲流水)
サッカー日本代表の歴史といわれる「ドーハの悲劇」「ジョホールバルの歓喜」「マイアミの奇跡」。当時を知る人たちには鮮明な記憶として刻まれているはずだ。そのサッカー大会の最高峰「ワールドカップ(W杯)」がいよいよ12日からブラジルで開幕する。日本は5大会連続5回目の出場。これまでの最高成績は2002年と10年のベスト16だ。今回はそれを上回る成績を目指すことから、いやが上にも期待が高まる
▼それとは別に、今回は選手と手をつないで入場する「エスコートキッズ」11人に、東小3年の國仲藍夢君が選出されたことも注目だ。全国1万人の応募の中から選ばれたというから、強運の持ち主だろう
▼1月に母親を亡くした藍夢君。ブラジルに向かう前日の6月日は誕生日とあって父親の朝昭さんは「天国のお母さんからの誕生日プレゼント」と喜んだ
▼先日、たまたま藍夢君と会うことができた。エスコートキッズのユニホームが良く似合っていて、利発そうな目とかわいらしい顔がとても印象に残った。「ブラジルで体験したことをみんなに伝えたい」としっかりとした口調で目標を話した
▼開催地のブラジルでは各国のエスコートキッズとの交流試合なども予定されているという。なかなかできる体験ではない。藍夢君の夢は「本田選手のように世界で活躍したい。そして、一番応援してくれた亡くなったママにもその姿を見せたい」。将来はサッカーの日本代表選手としてW杯の舞台に立ち、新たな歴史を刻むかもしれない。夢がさらに広がる旅になりそうだ。(地)