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行雲流水
2014年6月14日(土)8:55

「中国の尖閣意識」(行雲流水)

 世界経済フォーラム、スイスのジュネーブに本部を置き活動の理念は「世界の現状改善に取り組む」ことである、とされている。スイスの経済学者クラウス・シュワブの設立した任意団体であるが、巨大な組織と影響力は計り知れない

▼フォーラムは世界のトップ企業1000社が会員企業として出資することによって運営されている。最高意思決定機関はアナン元国連事務総長、IMF専務理事など24名で構成された、まさに世界のトップ集団である

▼フォーラムの年次総会が1月、スイスのダボスで開かれた。参加者はフォーラム会員の中から選ばれた多国籍企業経営者、国家元首、国際機関の長、市民社会からはメディアリーダー、学術機関や宗教指導者等々2500余の人々が一堂に会し、5日間にわたって世界が直面する重大な問題を論議したといわれる

▼フォーラムは公開されるが、ディナー会合は非公開で開かれたらしい。ダボス会議を取材した米国ウェブニュース「ビジネスインサイダー」のヘンリー・プロジェットが掲載したディナー会合の記事を産経ニュース電子版が紹介している

▼孫引きになるが、中国という隣国を理解するエピソードとしてあえて引用する。ディナー会合での発言者は特定してはならない、ということで「影響力を持つ中国人の専門家」と記され、名前と身分は明らかにされていない

▼影響力を持つ中国人は「尖閣侵攻は日本、その他の国々に対し誰が強者なのかを示すシンボリックな価値がある」と述べ、国益とは無縁とされる組織の会合の参加者たちをすくませた。中国指導者は、尖閣諸島は軍事力を誇示する場であると考えているようだ。

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