行雲流水
2014年7月19日(土)8:55
「夏休み」(行雲流水)
去る日曜日、城辺の保良泉ビーチに行った。太平洋の青海原が広がり、白い砂浜や周辺の緑が美しい。南国の楽園は海でシーカヤックを体験する人やプールで水しぶきを上げる子供たちでにぎわっていた。宮古の年配の人は自然の中で遊ぶことを「山学校」と呼ぶ
▼子供たちはきょう19日から、夏休みに入る。海辺や野山で友達や先輩と存分に遊び、健やかに成長していく。海では泳ぎを覚え、魚も取る。昔の子供は山でバンシローの実を見つけると大喜びしたものだ。ターザンや忍者ごっこにも夢中になった。夏休みの島は「山学校」の本番舞台となる
▼下地に住むある先輩が次のような話をした。「人は海で魚や貝を取り、畑にイモや野菜を植えたら生きて行ける。これが基本的な『生きる力』だと思う」。同先輩は地域の子供たちに農業を教えていた
▼最近の学校教育では「生きる力」の育成が強調されるようになった。広義の「生きる力」は先輩の言う「生きる力」をはじめ学力や思いやりの心などを含む総合力を指す
▼「知識詰め込み教育」の反省から生まれた「ゆとり教育」への方針転換だった。子供たちが自然や体験から多くを学び、心優しくたくましい人に育ってほしいと期待を込めている
▼ただペーパーテストで人を評価することもある社会を生きて行く上では勉強に努力することも必要だ。子供たちが夏休みに「よく遊んで、よく学び」たくましく成長して自信と希望に満ちた新学期を迎えることを願う。