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行雲流水
2014年9月23日(火)8:55

「グローバリゼーション」(行雲流水)

 世は国際化、グローバリゼーションの時代で、国際的に最も多く使用される言語である英語はますますその重要さを増している。そのことに異論はないが、米原万里の指摘する側面にも注意を払う必要がある

▼米原氏はロシア語同時通訳の権威で、ゴルバチョフやエリツィンのインタビューを成功させた功績でテレビ局長賞を受賞した。また、エッセーで講談社賞、小説で読売文学賞、ノンフィクションで大宅壮一賞を受賞するなど圧倒的な存在感を持って活躍していたが、多くの人々から惜しまれて2006年に亡くなった。氏は、優れた学識と豊富な異文化交流を踏まえて書いている

▼アメリカ人やイギリス人が言うグローバリゼーションは、自分たちの基準を世界に普遍させていくことで、いつでも自分たちは正当であり正義である。一方で、日本人が言う国際化は、国際的な基準に自分たちが合わせていくということを意味する

▼しかも、その時々の軍事的、経済的に最強の国の基準を世界の基準ととらえる傾向が伝統的に強い。最初は中国で、江戸末期はオランダで、現在はアメリカである。そして、軍事的、経済的最強の国が文化的にも最高だと錯覚する

▼世界中の国々の言語で蓄えられた豊かな文化に英語だけでアクセスできるわけではない。国際的情報が圧倒的に英語一辺倒の経由であることが日本人の精神を貧しくしている

▼新自由主義的グローバリズムの基準が、世界中で格差と貧困層を拡大させ、世界を不安定化させていることと、併せて考えたい。

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