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行雲流水
2014年10月4日(土)8:55

「台風対策」(行雲流水)

 宮古の農業生産環境は近年、目覚ましく進展した。地下ダムは干ばつ被害を緩和し、サトウキビの土壌害虫根絶にもほぼめどがついた。残るは台風だが、被害を防ぐ畑地防風林の普及が進んでいない

▼今年は恵みの雨をもたらす台風が9月までに3個接近し、キビは良い作柄に育った。秋の気配が漂い台風シーズンは間もなく終わる。ただ、自然の気まぐれは予測できず、いきなり牙をむくこともあるので予断を許さない

▼宮古のキビ収穫面積は、約4500㌶と広い。しかし、その大半の畑に防風林はなく強い台風時の被害は茎が折れ葉もちぎれるなど無残だ。農家は損害に毎回ショックを受けているはずだが、改善策(防風林整備)に積極的に手を付けている人は少ない

▼台風対応が万全で肥培管理を徹底すれば高反収になることを実証したのが2011年産県キビ競作会で1位に輝いた平良玄序さん(伊良部字仲地)だ。同年は5月の台風の影響で宮古の平均反収が約5㌧と大不作だったのに対し、平良さんは19㌧と驚異的実績を挙げた

▼生活インフラや農作物などが甚大な被害を受けた03年9月の台風14号を教訓に、ボランティア組織「美ぎ島宮古グリーンネット」が05年に発足した。第1回活動で狩俣線沿いに植えたハイビスカスやテリハボクは9年の間に大きく育った。狩俣の農家によると、防風林に隣接する畑のキビは暴風の影響をさほど受けていないと、効果を話す

▼グリーンネット憲章は「百年の計の下、率先して緑作りに行動する」とうたった。防風林の普及には同憲章の地域一体となった具現化が望まれている。防風林用の苗は3月と9月に市みどり推進課で安く購入できる。

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